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自分たちが走る先を COTEN が先に走っている。この社会実験がうまくいかなかったとしても、それもまた学び。 | 坪倉 伸一 × 深井 龍之介

法人COTEN CREWへ参加してくださった企業の方々へのインタビュー。第七弾の対談相手は、福岡の魅力を全国へ向けて発信するWEBメディア、フクリパを運営されているえんメディアネットの坪倉伸一さんです。

COTEN CREW制度ができる前からCOTENを支援してくださっているえんメディアネットさん。「フクリパ」ではほぼ毎月、COTENの記事を書いてくださっています。フクリパとCOTENが描くビジョンの共通点とは…?

坪倉さんお写真(右)

坪倉 伸一 (ツボクラ シンイチ)さんプロフィール:
1978年生まれ。2001年に株式会社えんに入社。不動産営業として自社ブランドマンション「エンクレスト」の販売で日本全国を駆け巡る。
2019年に「えんホールディングスグループ」初の社内ベンチャーとして、株式会社えんメディアネットを設立。
2020年には福岡の魅力を全国へ向けて発信するWEBメディア「フクリパ」をスタート。
福岡の都市開発情報、ビジネス界隈での面白い取り組み、定番から穴場まで博多グルメ・観光情報など、幅広い切り口でコンテンツ記事を展開し、
2021年には、メルマガサービス「フクリパ Magazine」の登録者10,000人超えに。twitterやfacebookなどの公式アカウントでも積極的に福岡情報を発信している。

「歴史って、こんなにも面白いんだ」

下西(COTEN広報):
坪倉さんは、かなり初期の頃から COTEN を知り、深井とも交流されていますよね。はじめはどういった出会いだったのでしょうか。

坪倉 伸一さん(以下、坪倉):
私たちが運営している WEB メディア、「フクリパ」のプロデューサーから「COTEN RADIO というポッドキャストを運営している、福岡の会社があるよ」と共有してくれたんです。それで社内のスタッフと一緒に聴き始めたら、とても面白かったんです。

学生の時は歴史がずっと苦手だったんですが、COTEN RADIO は勉強にもなるし、ただの学びで終わらずエンターテイメントとしても面白かった。学校での勉強はつまらなかったけれど、歴史はこんなに面白いコンテンツになるんだ、と驚いたんです。

一度お会いしたいと思い、共通の知人を介して深井さんにコンタクトを取りまして。それが最初の接点ですね。

深井 龍之介(以下、深井):
懐かしい、もう2年ぐらい前のことですね。

坪倉:
それぐらいになりますね。あの時はビジネス的な意図があったわけではなく、「ちょっと会って、話を聞いてみたいな」という感覚でした(笑)。お話していくと、自分も深井さんも島根に縁があると分かって。さらに、今はどちらも福岡で仕事をしている企業ということで、すごく親近感を覚えました。

深井:
大学の時は福岡に住んでいて、その後は東京に出たりもしたんですが、こうしてまた福岡に戻ってきました。僕は土地への帰属意識がないタイプなのですが、福岡の暮らしの生活クオリティがあまりに高いので、永住するのを決めたぐらいです。家賃は安く、ご飯が美味しくて、自然も多く、お店もたくさんあり、人が優しい。さらにはベンチャー支援も行っている。シリコンバレーにも行きましたけど、僕にとっては福岡に住んで働く方が断然いいですね。

そして実は、えんメディアネットの母体である、えんホールディングスが手がけるマンションに住んでいたことがあるんです。自社ブランドである「エンクレスト」というマンション。それまでにもいくつもの賃貸を借りて住んだことがあったんですが、エンクレストはダントツで。福岡にたくさん建っていますよね。

坪倉:
そうですね、100棟以上あります。

深井:
ハイエンドな造りのマンションですが、福岡なのでお手頃なんですよね。場所にもよるけれど、東京では家賃が15万円ぐらいかかりそうなマンションが、エンクレストでは半分程度だったりする。それでいて、クオリティも高いんですよ。僕はよく、家の鍵をなくしてしまうんですが、24時間対応のサポートがあっていつも助けられていました。

坪倉:
そうだったんですか(笑)。

深井:
なので、坪倉さんからお声がけいただいた時も、ある意味「大家さんから連絡が来た!」という感覚で(笑)。住んでいるマンションにもとても好印象を持っていたので、ぜひ一度お会いしたいと思ったんです。

出会ってすぐ始まった COTEN へのサポート

深井:
九州全体の特徴でもあると思うんですが、坪倉さんたちはすごく人情味に溢れているんですよね。それは、僕が福岡出身じゃないからこそ分かるんだと思う。

「COTEN を応援する」といった意思決定においても、「縁があるから」「同じ福岡で頑張ってるから」と、繋がりで手を差し伸べてくれる。もちろん、こうしたことはほかの地域でもあることなんだろうけど、福岡らしいな、と思うんです。

おたがいを助け合おうとしますよね。男気があるというか、九州男児らしい。それこそ、法人 COTEN CREW になる前から、「何か一緒にできませんか」と言ってくれていて。

坪倉:
そうでしたね、まずは何かお手伝いできることがあればと思って(笑)。

深井:
実際に、坪倉さんはこうして法人 COTEN CREW になっていただく前から支援してくださっていますよね。今も継続中ですが、去年の2月から COTEN の記事を連載していただいてます。

最初は僕がインタビューをうける形でしたが、ほかのメンバーにも話を聞いてもらい、いくつも記事を書いてくださっている。COTEN の活動を積極的に外に届けていただいて、本当にありがたいです。

利益の出ないメディアを運営する理由

下西:
もはや COTEN の社外広報のように、深く取り上げていただいてます。当初は「会って話してみたかった」とのことでしたが、その後ここまで COTEN を応援してくださるのはなぜでしょうか。

坪倉
COTEN が目指していることと、フクリパが目指すビジョンに、規模は違えど近しいものがあると感じたからです。

COTEN は歴史のデータベースをつくることで人類に貢献し、よりよい社会を作ろうとしていますよね。また、そのための方法のひとつとして、COTEN RADIO というコンテンツをつくり、歴史をエンターテイメントにして届けることに大きなリソースを割いている。

フクリパも、対象は世界ではなく福岡になるけれど、福岡に住んでいる人だけでなく、移住やビジネス、投資で福岡に関わっていきたい人が楽しめるコンテンツを届けたいんです。それによって、福岡の発展に寄与していきたくて。

フクリパは株式会社えんメディアネットのオウンドメディアですが、実はフクリパ自体には収益構造がないんです。では、どうしてこのメディアを運営しているのか。それはえんメディアネットの母体、えんホールディングスのビジネスと関連します。

えんホールディングスは、深井さんもお話してくれたように、主に単身者向けのマンションを造り、販売することをビジネスとしています。かんたんに言えば、マンション開発を行うデベロッパーですね。福岡は「若者の街」と呼ばれるぐらい、単身者の方が多いんです。なので、私たちが福岡で安心してひとりで住める住環境を整えることは、福岡への地域貢献に繋がると信じているんです。

同じように、福岡の魅力を発信することで人口が増え、福岡が繁栄していけば、それがまた自分たちの仕事に繋がっていく。フクリパの運営は、それ自体で収益を出せていなくても、長い目で見れば自分たちに返ってくるんです。目先のマネタイズではなく、「福岡を盛り上げる」ことに投資しているわけですね。

繰り返しになりますが、COTEN RADIO は歴史を面白くまとめて伝えることで、歴史が自分の人生において有効なものだと教えてくれる。「歴史なんて嫌い」「学校の歴史の勉強はつまらない」と感じたままの人たちに、きちんとアプローチできている。

私たちも、より多くの人に福岡の魅力を知ってもらえるよう、価値あるコンテンツを届けることが大切だと感じているんです。COTEN にとって COTEN RADIO があるように、えんホールディングスグループにとってフクリパがある。

だから、COTEN さんの活動に自分たちを重ねるところが多いし、応援したいんです。社会的な実証実験なので、うまくいかないかも知れませんが、それもまた学びじゃないですか。私たちも、福岡に関わりたいと思っている全国の方々と繋がれるよう、法人 COTEN CREW のように不動産とクラウドファンディングを組み合わせた新しいサービス「えんfunding」も展開中です。COTEN の活動を参考にしながら、自分たちなりのよりよい仕組みを考えているところですね。

残してくれた足跡が見返り

下西:
坪倉さんから「クラウドファンディング」という言葉が出たけれど、法人 COTEN CREW のモデルとクラウドファンディングの違いについて、龍之介はどう考えてる?

深井:
大きな違いを感じているわけじゃないかな。法人 COTEN CREW では、今までの資本主義だとリーチできていなかった部分に対して、新しい手法でリーチしていけるかを実験している、という感覚。

この「実験」ということが大切で、坪倉さんが言ってくださったように、成功しても失敗してもいい。大切なのは、その結果を世の中にシェアすることだと思っている。法人 COTEN CREW という集まりも、その結果をダイレクトにシェアできることがひとつの価値だと感じていて。

ただ、クラウドファンディングは既存のスキームとして認知されているモデル。実際は重なる部分もあるだろうけれど、「違うものだ」というある種の建前が重要で。たとえば内職をするとして、それをしているのが「侍」なのか、「浪人」なのか、「士農工商がない時代の人」なのかで、意味合いが全然違ってくる。同じことをしていたとしても、定義や状況で社会的意味は大きく変わってくるんだよね。だからこそ、「既存にはないモデル」という部分を大切にしたいと思っている。

坪倉:
深井さんの話は、よく分かります。未来の形をつくろうとしても、現状は資本主義をベースに組み立てて行くしかありませんよね。たとえば資金を集めようとする際も、銀行から借入をしたり、上場して調達したりする。不動産業をする上でも、資本主義には乗っからざるを得ません。でも、「現状のモデルを続けることで、本当に未来は変わるのか」とも思っていて。

なので、新しい形を模索して進もうとしている COTEN の動きは、とても面白いんです。そして、自分たちが走ろうとする先を COTEN が先に走ってくれているのに、そこに応援の気持ちがわかないのはおかしいだろう、と使命感のようなものも覚えていて。応援しながら、その足跡を見ながら、同じ道を一緒に辿っていけたらと思っています。

COTEN を支援して、その活動が失敗したとしても、それはマイナスではないんです。「そのやり方ではうまくいかないんだ」と学べる。今の社会では「お金」という共通言語があって、見返りを考える際にも「それがどれくらい利益になるのか」と考えてしまう。私たちにとっては、COTEN が足跡を残してくれることが見返りなんです。

フクリパで福岡を盛り上げることと、COTEN が人類のために歴史を扱うこと。一見そこに何の関連性もないように見えるかも知れないけれど、本質的には同じ道を同じ方向に歩んでいると思っています。

深井:
ありがとうございます。「使命感」か……。坪倉さんの言葉には、やっぱり男気が溢れているんですよね。同じ道を歩んでいく仲間として、これからもよろしくお願いします。


ここまでお読みいただきありがとうございました。

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